築42年のハウスメーカーが建てた鉄骨ボックスラーメン構造の空き家をリノベーションし、建築設計事務所と住宅、多目的に利用できる空間を外に開くことで複合施設のような住宅のような建物を考えました。

元は5人家族が住んでいた住宅で、天井高さが一般的な2.4mの個室が並ぶ、ごくありふれた間取りでした。
事務所兼用住宅としては使いにくい間取りのため、ボックスラーメン構造という特性を活かし、内部をすべて解体し、各場所の使い方は決めきらずに、建物全体をフレキシブルに使えるような空間構成としました。

オフィスの打ち合わせスペースは、時折ギャラリーやワークショップ、ポップアップストアなどに。
2階のLDKは、 子連れのママ会、教室利用、ピラティススタジオなど、様々な用途に変わる複合施設のように家を開いていきます。

家を外に開くことで新たなコミュニティが生まれ、空間への興味を促し、新たな空き家活用のモデルケースとなるような実験的な事務所兼住宅を目指しました。

1階の事務所空間は、鉄骨を現し、新旧が混在する歴史を感じられる空間としました。鉄骨により無骨さが感じられるため、グレイッシュな色味と合板壁でまとめ、打合せスペースは貸出すスペースにもなるため、仕上げが邪魔をしないようにプレーンな塗装で空間を緩やかに切り替えました。

2階は3室あった個室をLDKとし、低い天井を感じさせない大きな気積と借景の樹木と調和するようグリーン系に調合した漆喰で空間を包みこみ、居心地の良い空間を目指しました。

地方の作家とコラボレーションした商品化前提のプロダクト

 

 

 

地元の作家と建築家が商品化を前提に共同制作のプロダクトを試みました。

千波のいえでは、地元の作家と共同制作したプロダクトのプロトタイプを散りばめています。現在、陶器作家、ガラス作家、鉄作家、革作家などのプロダクトがあり、空間のアクセントになっています。作家とのプロダクトは、個人住宅の特注品に留まらずに、世の中に発信していきます。